top of page
グラフィックパターン

​委員長あいさつ

ライラックグラデーション

​感性と創造性の教育を目指して

全国造形教育連盟委員長 松永 かおり

(世田谷区立砧南中学校 校長)

VUCA[i]の時代を生き抜く子供たちには、変化を前向きに受け止め、社会や自らの人生をより豊かにし、新しい未来を構想、実現していく力を身に付けることが求められています。

また、ビジネスの世界においても、慣例にとらわれず、互いの多様性を認め合える柔軟な思考をもつ人材が求められ、そのための能力開発の場を芸術の分野に求める傾向が見られるようになってきました。

 

このように社会全体が求める力の核となるものこそ、人間ならではの「強み」とされる「感性」や「創造性」です。

「感性」や「創造性」は、自分なりに試行錯誤したり、多様な人々と協働したりして、新たな価値を生み出すことなどを経験して身に付くものであり、このことは紛れもなく造形教育で育む資質・能力に直結しています。

 

全国造形教育連盟は、幼稚園・保育園、小学校、中学校、高等学校、大学、特別支援教育、美術館の研究団体の集合体として構成された、全国的な組織です。

その歴史は古く、戦後間もない昭和23年から、毎年全国各地で研究発表大会が行われ、造形教育の振興と発展、教員の資質向上等に資してきました。

そのような長い歴史の中で培われてきた本連盟の活動にも、今般の新型コロナウィルスの感染拡大は、組織運営や研究大会の形態の変化等、大きな影響をもたらしました。

感染状況が落ち着いた現在でも、各地区における教育研究予算の削減、リアルな子供の姿を見る研究授業の機会減少等影響は残り、加えて、専門性をもつ教員の全国的な減少、教育現場の労働環境の改善等、造形教育を取り巻く課題は山積しています。

 

その様な背景を踏まえ、ポスト・コロナにおける全国造形教育連盟の活動は、単に従前の状態に戻すのではなく、これまで大切にされてきた教育研究活動の意義や価値を再確認するとともに、DX[ii]などによって身につけた新たなスキルや知識などを活用して、新しい取組を積極的に行ってまいります。

連盟に関わる皆様の、縦横の連携を密にするしくみを再構築し、活発で持続可能な教育研究活動の充実を図ります。

同時に、志を共にする関係諸団体や企業等との連携や協働を強化し、全国の造形教育研究の充実と発展、人材育成に尽力してまいります。

 

どうぞ、本会の活動に、ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

[i] VUCA「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」Ambiguity(曖昧性)」

[ii] DX(Digital Transformation)テクノロジーの進化や変革により人々の生活を豊かにしていく 既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーション

bottom of page